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昔の話

アメリカの小学校に通っていた頃、
ある日、特別授業みたいなのがあった。

それは「DRUG」についての授業だった。
実物もいくつかあったことを記憶している。
もしかしたら警察とかの協力があったのかもしれない。

その頃は何の話だかよく分からなかった。
薬局とかを「DRUG STORE」って言うくらいだから、
普通の薬の原料的なもんかと思ってた。

今考えると日本ではまずありえない授業だと思う。

でも、やっぱり映画とか見ることが多いアメリカだから、
そういった教育はなるべく早くというのも理解できなくもない。
映画だとかっこいい俳優とかやってたりする内容も数多くあったりするわけだし。

ミドルスクールになると、段々と「不良」みたいな子が増えてくる。
でも小学校から知ってる私としてはあまり怖いという感覚がなかった。
「数学の宿題やってきた?」「やってきてない」「授業中に終わらせよう」とか
普通に話しかけたりもしてた。

その数学の授業を受けていた女の子とは仲がよかった。
その子はとてもかわいいのに、
髪をぐしゃぐしゃの状態で、
ボロイTシャツでよく来てた。
何より、日本人を相手にしなくなってくる子が増えてくる中、
その子は変わらず接してくれた。

その子には彼氏がいたんだ。
数学の授業が一緒だったため、
私も何度か話した。
とてもかっこいいが、シャイで、
時々目が合うと、ニコっと笑う優しそうな人だ。
でも、その人のまわりの友達が怖い感じの人が多く、
私のほうから話しかけることはあまりなかった。

とてもサバサバしてて、
とても好きなカップルだった。

ある日、
朝学校に行くと、
すぐに全校生徒が体育館に集められた。
いつもは普通に通れた廊下なのに、
決められたルートでしか体育館には行けなかった。
あとから聞いたら、
ガラスや血が飛び散っていたから、
とのことだった。

私は日本人の子と一緒に体育館に向かった。
体育館の中はザワザワしてた。

校長先生がマイクを持ち、
なんやら説明をし始める。

体育館に集められることは
それほどめずらしいことではなかったため、
あまり最初は聞いてなかった。

校長先生が発したある一言で
私にはまわりのざわつきが聞こえなくなった。
校長先生がある人の名前を言った。

そして



黙祷。


体育館の空気は一気に冷たくなった気がした。
時間も止まったようだ。

たくさんの泣き声が聞こえてきて、
私もようやく事態を把握した。


さまざまなうわさが飛んだ。

学校のあらゆる窓やドアのガラスが割られていたため、
夜中に運転してきて、
忍び込んで割った。
その後仲間と家でお酒を飲み、薬を飲み、
銃口を自分のこめかみに当てて
死んだ。

これが真相かどうかも分からない。
噂ではこんな感じだった。
私には確かめることができなかった。

"ロシアンルーレット"というのはTVの中のお遊びかと思ってたが、
この時、本当にこういうことをいうのか、と。
知ってしまった。

それから彼女を学校では見なかった。

最後に彼女を見たのは、
彼のために生徒達が作った記念碑のようなものの前にいたとき。

それからしばらくして、
私は日本に帰国しなければならなかった。

彼女に手紙を、と思ったけど、
結局何を書いていいのか分からず、
そのまま挨拶できないまま、私は日本に帰ってきた。
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by khyacinthus | 2009-10-06 18:13